松井証券の自動売買、米ドル/円の設定は?元手はいくら必要?30年分のデータで検証
数字で見る要点
29回中22回
買いと売りの両方を並べた設定で、元手200万円でもロスカットされた回数
0回
買いだけにした設定で、元手200万円でロスカットされた回数
年 約2.8万円
買いだけ・元手200万円で続けたときの、1年あたりの利益(約1.4%・29回の真ん中の値)
松井証券のFXの自動売買について、こんな疑問はありませんか?
- 米ドル/円で使いたいけれど、どう設定すればいいのかわからない
- 元手はいくら入れておけば安心なのか知りたい
- 「放っておいても大丈夫」と聞くけれど、本当なのか気になる
そこで、2つの設定を過去30年の米ドル/円のレートで「もしこの年に始めていたら」と29回分試し、ロスカット(損がふくらんで、証券会社に強制的に決済されること)が何回起きたかを数えました。
- 買いと売りの両方を並べる設定は、元手200万円でも29回中22回ロスカット
- 買いだけにすると、同じ元手200万円でロスカットは0回
- ただし買いだけでも途中で元手が大きく減った時期があり、利益は1年あたり約1.4%(200万円なら約2.8万円)
松井証券の自動売買とは
決めたルールどおりに、自動で注文を出してくれるしくみです。基本の使い方は「レートが下がったら買い、少し上がったら売る」のくり返しです。

たとえば「150円で1,000通貨(1,000ドル分)買い、150.6円で売る」と決めておくと、レートがそう動くたびに約600円の利益が入ります。
ただし、レートが下がり続けると、買ったまま売れない分の含み損(今決済したら出る損)がたまっていきます。下がり続けたときに元手が持ちこたえられるかが、いちばん大事なポイントです。
- 1,000通貨:1,000ドル分(1ドル150円なら15万円分)
- 銭(せん):1円の100分の1。30銭は0.3円
- 売りの注文:先に売って、あとで買い戻す注文。レートが下がると利益、上がると損
- スワップ:通貨を持っている間に日ごとに受け取る(支払う)金利の差。米ドル/円では、買いは受け取る側、売りは支払う側になることが多い
試した2つの設定
松井証券には米ドル/円の公式のおすすめ設定がないため、公式のおすすめ設定と同じ形をもとに、このサイトで2つ作りました。どちらも始めた日のレートを基準にします(下の表は150円で始めた場合)。
| 設定A:買いと売りの両方 | 設定B:買いだけ | |
|---|---|---|
| 買いの注文 | 135〜150円に30銭ごと(50本) | 135〜150円に30銭ごと(50本) |
| 売りの注文 | 150〜165円に30銭ごと(50本) | なし |
| 1本の量 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
| 1回の利益 | 60銭動いたら決済(約600円) | 60銭上がったら決済(約600円) |
| 損切り | なし | なし |
1996〜2024年の毎年1月に始めたことにして(29回)、2026年9月まで計算しました。取引のルールは松井証券に合わせています(レバレッジ25倍、ロスカットの基準は最も緩い50%、手数料なし、スプレッド=買う値段と売る値段の差は0.2銭)。
結果:買いと売りを並べると、ほとんどロスカット

設定A(買いと売りの両方)は、元手200万円でも22回、つまり4回に3回はロスカットされました。理由は2つです。
- 米ドル/円は一方向に大きく動いた:30年で75円台(2011年)から161円台(2024年)まで動いています。2012年以降の円安では、売りの注文がすべて成立したまま含み損がふくらみ続けました
- 売りはスワップを毎日払う側:アメリカの金利が日本より高い時期が長く、持っているだけでお金が減っていきました
設定B(買いだけ)は、元手200万円以上ならどの年に始めてもロスカットされませんでした。
| 元手(設定B) | ロスカット(29回中) | 途中でいちばん減ったとき | 1年あたりの利益 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 13回 | −91% | 約2.6% |
| 100万円 | 4回 | −95% | 約1.9% |
| 200万円 | 0回 | −82% | 約1.4%(約2.8万円) |
| 400万円 | 0回 | −48% | 約0.8%(約3.2万円) |
(「途中でいちばん減ったとき」と「1年あたりの利益」は、ロスカットされなかった回の値。利益は真ん中の値)
元手100万円でロスカットされた4回は、2002・2006・2007・2008年に始めた場合で、どれもリーマン・ショック後に80円台まで円高が進んだ2009〜2011年に起きました。また、元手を増やしても利益の金額はほとんど増えません(注文の数が同じため)。
注意点:買いだけの設定にも弱点がある

- 途中で大きく減って見える時期がある:2007年に始めた場合、2011年10月には口座のお金が約40万円(−82%)まで減っていました。ここでやめれば、損はそのまま確定します
- 上がり続けると何も起きない:買いの注文は始めた日より下にしか並べません。2013年1月(87円前後)に始めた場合、その後レートが注文を並べた86.7円まで一度も下がらず、成立した注文は0回、利益は0円でした
今から始めるなら:元手はいくら必要か

いま(1ドル約157円)設定Bで始めると、買いの注文は142〜157円に50本並びます。130円まで下がっても耐えるには約110万円、120円までなら約159万円が必要です(含み損に、ロスカットまでの余裕を足した額)。
どこまで下がるかは、だれにもわかりません。30年の間には、1年半ほどで124円から87円台まで下がった時期(2007年6月〜2008年12月)もあります。
元手が少ない場合は、1本の量を減らせば同じ安全さにできます(松井証券は1通貨から注文可能)。
| 1本の量 | 元手(上の表の200万円と同じ安全さ) | 1回の利益 |
|---|---|---|
| 1,000通貨 | 200万円 | 約600円 |
| 100通貨 | 20万円 | 約60円 |
| 10通貨 | 2万円 | 約6円 |
よくある質問
Q. 損切りを入れたほうがいいですか? 今回は損切りなしの設定だけを試したため、損切りを入れた場合の結果はまだ確かめていません。
Q. 売りの注文は使わないほうがいいですか? 今回の30年分のデータでは、売りも並べる設定はロスカットが非常に多い結果でした。ただし過去の結果で、これからも同じとは限りません。
この計算の限界
- 1日の中の細かい上下はすべては数えていないため、実際にはもっとロスカットが起きていた可能性があります
- スワップは日米の政策金利の差から、証券会社の取り分として年1%を引いた概算です。スプレッドは9時〜翌3時の値(0.2銭)で、それ以外の時間は広がることがあります
- 「始めた日のレートを基準に並べる」設定はこのサイトが決めたもので、範囲や間隔を変えると結果も変わります
※この記事の数字は2026年10月1日に計算したもので、取引のルールは同じ日に松井証券の公式ページで確かめました。過去の結果であり、これからの結果を約束するものではありません。売買をすすめるものでもありません。
根拠・出典
この記事の数字と事実は、2026年10月1日に、公式情報と検証の記録で確認しました。
- https://www.matsui.co.jp/fx/report/usdcad_setting/
- https://www.matsui.co.jp/fx/auto-trading/reference/
- https://www.matsui.co.jp/fx/auto-trading/deposit/
- https://www.matsui.co.jp/fx/auto-trading/
- https://www.matsui.co.jp/fx/auto-trading/cost/
- https://www.matsui.co.jp/fx/rule/
- https://fred.stlouisfed.org/series/DEXJPUS
- https://fred.stlouisfed.org/series/DFF
- https://fred.stlouisfed.org/series/IRSTCI01JPM156N
- 検証の記録: bot/grid_usdjpy.py
- 検証の記録: bot/logs/grid_usdjpy_20261001-213654.md
- 検証の記録: site/charts_usdjpy.py
検証の条件と計算方法は検証の方法にまとめています。
この記事は、運営者が行った検証の記録です。特定の金融商品の売買を勧めるものではありません。過去の成績は将来の成績を保証しません。数値は記載時点のものです。


